24卒の違いと、採用担当者に求められる役割
24卒就活生は自己理解が浅い学生が増える?
~23卒と24卒の違いを知る~
24卒採用戦線は、4月にインターン情報公開、6月にエントリー受付、 7~9月でサマーインターンと既に半年が経過しました。
24卒学生の「インターンシップや仕事研究プログラム等への参加意向」は 「参加したい/参加予定あり」が94.5%(キャリタス就活5月調査)と インターンが就活のデフォルトに既になっています。
弊社の新卒採用は昨年までは秋インターンからの開始でしたが、 本年度は市場変化にあわせてサマーインターンからに変更しました。
24卒の就活生に会う前に今年の特徴を調べていたところ、 本採用が始まったら「今までの学生と違う」と感じる可能性がある背景が2つあることがわかりました。
1つめは大学入試の環境変化、2つめはコロナにより 入学当初から予想と全く違っていた大学生活だったことです。
<2つの大学入試環境の変化><変化その1:私大の入学定員管理厳格化> 志望大学の定員減少により合格を手にすることができなかった学生が一定数いるのにも関わらず 大学名だけで判断してしまうと、数年前と同等の学力がある良き人材を見逃してしまうかもしれません。 <コロナ禍突入のタイミングで大学に入学>そんな大学受験のハードルを越えた24卒生が高校卒業目前の高3の2月、 新型コロナウイルスが広がり始めます。高校の卒業式や大学の入学式の中止。 4~5月は対面授業が出来ず、6月頃から慣れない教師による手探りのオンライン学習が始まります。
進研アド2021年2月調査より全国大学生活協同組合連合会2021年7月調査より 入学後にできた友達も3年生が一番少なく、「0人」が4.8%(他の学年は2%台)、「5人未満」が22.1%(他の学年は15.7~18.3%台)と、 大学での友人関係の薄さが目立ちます。 全国大学生活協同組合連合会2021年7月調査より 今年は就活の軸に悩む学生が増えるだろうなと、就活生に相談に乗ると声掛けしていたところ、 「説明会やインターンシップ等に参加してみたが、自分の性格や適性、 やりたいことが見えずとても困っている」と インターン参加をキャンセルした学生から連絡が入りました。 キャンセルした企業の人に相談するほど友人関係が希薄で、 大学キャリアセンターに相談するきっかけもないのかもしれません。 |
自己理解を深められる関わりが必要な24卒
同じコロナ禍の就活生でも、24卒と23卒では様々な違いがあることをお分かりいただけましたでしょうか。
私立大学の定員厳格化で門戸が狭くなり、入試改革回避で超安全志向で大学に入学した24卒。
入学してからずっとコロナ禍で、経験に制限がある学生生活を送り、 友人の数が少なく他者比較が圧倒的に少ないが故に、自己理解が浅いまま大学3年生になってしまったのです。
「普通」の基準がわからないまま、あるいは就活の軸がずれたままやみくもにインターンに参加している学生も例年より多いはずです。
人生の大きな判断をする就活で悩んでいる学生がいたら、社会人の先輩として時には導いてあげる声掛けをしてあげる必要があります。
また、選考が始まった際には背景を配慮した質問を面接の場でしていく必要もあり、 面接官にも対応力が求められてくるでしょう。
23卒では、大学生活を1年体験した後のステイホーム生活の過ごし方を聞くことで、 逆境時の対応を知ることもできました。
24卒はガクチカ(学生生活で力を入れたこと)が書けないからと授業を欠席して探している学生もいるという話も聞きます。
いかに学生の本質を引き出せる対話を面接でできるかが重要です。
24卒採用は就活生がおかれた環境を理解し、今までとは違うアプローチでの質問力が企業側に求められるようになるでしょう。
一方で、学校群のみで学生を判断せず、インターンや面談などで、個々の学生の気持ちを引き出し、 自己理解を深める手助けをするのもコロナ禍での採用担当者の役割ではないでしょうか。