スタッフがアイデアを出しやすい環境づくりの秘訣
全体ミーティングの在り方を考える
定期的な全体ミーティングを実施している店舗は多いと思います。
私の店舗では月に一度、閉店後に「店会議」という名前の全体ミーティングを行っています。 これは私がビームス みなとみらいに着任してからずっと続けていることですが、 私はこの時間に愛着を持っていて、そしてとても大切にしています。
私にとって店会議は、例えるなら「大家族みんなで行く、月に一度の楽しい外食」のようなイメージなのです。
今回はそんな当店の「店会議」についてお話したいと思います。
「選択と集中」
月に一度の貴重な時間だからこそ、何を話すか、つまり議題の設定は、当然、最も重要です。 私は半年(上期、下期)を1タームとし、半期が始まる際に立てた計画の中で、 「これ」と決めたことだけを毎月追いかけ続けることにしています。 膨大な量の情報が溢れている中でやるべきことはたくさんあります。様々な取り組みがあります。
しかし、定めた目標を達成する為には、根幹をブラさないことが第一であると考えるからです。
例えば、昨年の上期は、「O2Oの促進」を目的とし、SNS投稿のPDCAを回し続けました。 担当者が店会議前にスタッフに各々の現状をヒアリングし、分析して、具体的な対策を発表するようにしました。 そして、みんなでディスカッションをして、「今月はこうしよう」というふうに行動を絞りました。 行動出来るように、店会議の時間を全て使って、不慣れなスタッフを巻き込んで撮影会をしたこともありました。
その結果、当店から3人のSNSにおけるスタースタッフが生まれ、人員の入れ替えがあった今でも、 定期的な投稿が続けられています。
目標達成のための行動を追い続けたことで、SNS投稿がいつしか「取り組み」から「当たり前」になり、 店の「風土」になったのです。
また、例えば今年の下期は、「相手本位のマインドを醸成する」を目標とし、接客に関するPDCAを回し続けています。 これも担当者を設けて、私と充分なすり合わせをした上で、事前にスタッフにヒアリングをしてもらっています。
「売場での相手本位の行動ってなんだろう?」 「業務よりお客様優先を心掛ける中で、具体的に出来てないことってなんだろう?」
こんなラフな問いかけです。
そして、出てきた事柄について、「Oさんの言ってくれたの、分かる。こういう時あるよなあ」 「Kさんの書いてくれたの、めちゃくちゃいいよね!」と、 みんなでああでもない、こうでもない、を、これまたラフに語り合う店会議にしています。 するとその中から、「じゃあこうしようよ」という名案が生まれるのです。
弊社には、お客様から頂いた「ありがとう」をレポートにして提出出来る環境があり、 そのシステムが最近ブラッシュアップされたのですが、それを活用しよう、という意見。
ビームスではお客様からのお声が届くシステムがありますが、うれしいお言葉を頂いたら、 それをスタッフ間で共有して褒め合えるルーティンを作りましょう、という意見。
ラフな話し合いが出来ると、スタッフは閃きや考えていたことを口にしてくれます。 私の気付いていなかった視点で、具体的なやり方をいくつも提示してくれるのです。 後はリーダーがそれを選択し、集中すべき行動を決定し、実行に移せる環境を整えてあげればよいのです。
「ラフな空気がボトムアップを生む」
もうひとつ、貴重な時間だからこそ私が大切にしていることがあります。 それは前述した「ラフな空気」です。これを作るのはリーダーである私の仕事だと思っています。 |
「ミーティングは楽しむもの」
時代が変化して、ミーティングはリモートが主流となった昨今ですが、 対面でもオンラインでも、「多くの人が集まって同じ時間を共有する」ということの大切さは変わりません。
そもそもミーティングとは、自分たちを振り返り、より良い明日に繋げる為のものです。 未来を形作る為に必要なことを話し合ったり、共有しあったりするのですから、本来は楽しくワクワクするもののはずです。
身構える必要も、緊張する必要も、本当はないのです。
入念な準備と、ラフな空気と、笑顔のあるミーティングから、未来の実は結ばれる。
私はそう思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました。
明日も売場と向き合いたいと思います。