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「認められること」と「認めること」

ワンスアラウンド株式会社
ビームス みなとみらい店
次長 園田 彩

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いつもワンスアラウンドの「現場マガジン」を、ご覧いただきましてありがとうございます。現在、ビームス みなとみらい店で次長をしております園田彩と申します。10年ほどビームス店舗で販売員として経験を積み、昨年9月までの約2年半、ビーミング ライフストア by ビームス MARK IS みなとみらい店の店長を務めておりました。
今回は店長を目指すに至るまでの心境の変化と、そこまで続けることができた理由についてお話させていただきます。
現場の皆様の参考になりましたら幸いです。

店長たちのチャレンジ 【vol.011】

「認められること」と「認めること」

完全な未経験で軽い興味程度からこの業種に飛び込んだ私は、今でこそファッションと接客を愛し誇りを持っておりますが、そのように自信を持って言えるようになるまでには永い時間がかかりました。

入社当初は基本のキである畳み方から様々な業務、自身のスタイリングまでたくさんダメ出しを受けて、毎日のように悔し涙を流す日々が続きました。

今でこそ愛ある指導であったと理解できますが、未熟な当時は素直に受け入れられないことが多かったです。

ほとんど反骨精神でがむしゃらにやっていく中で接客の楽しさを覚えて、お客様から感謝される機会が増えていくにつれ、今まで厳しいことばかり言ってくる先輩が「頑張っているね」と言葉にして伝えてくれたことが最初のやりがいになりました。

初めて先輩に「認められた」と自分を「認める」ことができたのです。

この頃から、コーディネート力不足を指摘されてばかりだった自分のスタイリングを可愛いと褒められたり、コーディネート提案をお客様が喜んでくださることで、少しずつ周りに「認められた」と自分を「認める」ことが増えて、仕事が楽しくなっていきました。

「認められる」より自分で「認める」ことができるまで

しかし、「認められる」ポイントは環境や相手によって異なります。
経験を重ね、異動や立場が変わっていくたびに、新たな場所で「認められる」ハードルも上がり、自分を「認める」ことができず苦しみだします。

ファッションと接客を楽しむことよりも、自信のなさが上回ってしまい、自信がないため、店長や責任を追う役職を敬遠するようにもなりました。
新人時代にやりがいとなったはずの「認められる」ことが、逆に枷となってしまっていたのです。


こうして自分への評価を前向きに受け止めることができなくなりつつあるとき、尊敬できる仲間、上司の言葉が大きな支えとなりました。


立場的には私の方が少し上ではありますが、ビームス みなとみらいで共にレディースを引っ張って働いていた同僚は、ファッションセンスに優れ、魅力的な人柄で、私も含めスタッフにもお客様にも愛されていました。
そんな彼女が「園田さんが一緒だと働きやすい」と言ってくれました。

カリスマ的存在の彼女をリスペクトした上で、別の角度から自分ができることを見つけたかった私にはこの上ない言葉でした。
また、当時の上司は大きく人事が動く際に「園田にうちの店に異動してきてほしい」と真っ先に言ってくれたそうです。


永くお世話になっている上司から、そう思っていただけたことが本当に嬉しくここまで続けた甲斐があったと心から思えました。
そんな上司や仲間の言葉は、自信を持てなくなっていた私でも前向きに受け止めることができました。


それは何故か?
彼らはまずは自らを「認める」ことがとても上手だったのです。

お店の商品と服が大好きな彼女は、ネガティブな要素は口にせず、ここが素敵、こう合わせたら素敵と商品を「認める」。
実際に自分が似合っていたら自分で可愛いと「認める」。
上司も、スタッフの好事例や良い所は大袈裟なくらい褒めて「認める」。
ご自身のことも、今日も俺は格好良いなんて冗談めかして「認める」。


「認められる」ことに、勝手にプレッシャーを感じて受け身で弱気になっていた私には、そんな彼らのまっすぐな姿や言葉がとても気持ち良く、格好良く感じました。
「認める」ためにはもちろん伴った力も必要ですが、そのための努力を当たり前にできる人達なのです。
私は求めるよりまず自らを「認める」強さと説得力に気が付きました。
そして、彼らと一緒に、こんな接客が楽しかった、今日のスタイリング良いね、新作が可愛い、なんて話しながら働き、自分で「認める」ことができるように頑張ることの楽しさとやりがいを見い出していきました。


「ハートフルなお店」を目指し「働く楽しさ」を伝える側に!

そうしていくうちに、私自身が周囲に教わった「働く楽しさ」を伝える側になりたいと考えるようになり、初めて店長になることを意識しました。
一旦意識しだすとどんどん思いは強くなり、前に次長を務めていた愛着のあるビーミング ライフストア みなとみらい店を、どこよりもイケてる楽しいお店を作りたい、と考えるようになりました。
以前の私ならそんな考えを自分から口に出せませんでしたが、膨らむ思いは止まらず、グループマネージャーに話を聞いていただきました。
そして、グループマネージャーも、園田さんには店長の資質として大事な熱意がある、と言葉をかけて「認めて」くれたのです。
そしてまもなく実際に念願の店長を任されるに至ります。


私は、店ビジョンを「ハートフルなお店」と掲げました。
ハートフルとは愛や思いやりに溢れたという意味で、ブランド・商品・お客様・スタッフなど、目の前の全てに愛を持ち、何かを選択するときに「これはハートフルか?」を指針にしてほしいという思いを込めました。


この愛を持つことが、ここまでたくさん挙げさせていただいた「認める」「認められる」ことに繋がるという思いで、夢いっぱいで店長に就きましたが、やはり当初は店長である自分を「認める」ことに苦労しました。
それでもこれまでの経験を思い出し、ハートフルとは何か、ファッションを売るとは何かを、店メンバー全員に伝えることをとにかく大事にしました。


何かを指導する際は、まず話を聞いて「認める」。
私が「認める」ことに説得力があるように、いち販売員としても信頼される努力を惜しまないようにしました。

接客ロールプレイング大会に自ら挑戦し地区大会出場を決めたり、ビームス様からいただく提案や依頼にはできる限り応えていき、何事にも挑戦していく。


それらを徹底し続け、「認め合う風土づくり」に努めました。
そしてだんだんと店メンバーがそれに応えてくれ、この場所で働く楽しさを感じて語り合う機会も増えていきました。
そんな店とスタッフと、その様子を見た周囲から雰囲気が良いと褒めていただけることが店長として誇らしく、何よりも自分を「認める」ことができたのです。


さいごに

新人時代には経験やスキルの無さが自己肯定感の低さに繋がり、責任ある仕事を避けてきた自分が、周囲の上司や仲間から「認められる」ことで、自分で自分を「認める」ようになり、店長になってからは、自分が周りを「認める」ことの価値を高めるためにも、自らを高める努力を続けてきた結果、今ではこんなに意志をもって役職を全うできるようになりました。

今までの自分を振り返る機会となった今回の執筆で「認め合う風土づくり」が、自分自身を、そしてチームを強くしてきたと、改めて強く感じています。
そして、店長を経験した上でビームス みなとみらい店に次長として戻ってきた今、これまでの経験を生かして店長をサポートしつつ、ウィメンズの責任者として、みんなを引っ張って全員が力を発揮できるチーム作りを目指していきたいと思っています!






最後までお読みいただきありがとうございました。

次回の「店長たちのチャレンジ」をお楽しみに・・・。



園田 彩
園田 彩
ビームス みなとみらい店 次長

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