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リアル店舗に求められる「販売」の本質とは?

ワンスアラウンド株式会社

取締役 佐藤 梨枝子

佐藤 梨枝子

ハッピーエピソード 【vol.57】

リアル店舗に求められる「販売」の本質とは?


私たちの会社は【販売代行】と【研修コンサル】の2つの事業を展開しています。

【販売代行】は、クライアントの店舗運営や販売を行うアウトソーシング事業です。

この事業はクライアントとの契約に基づいて成り立っていますが、環境変化に伴い、取り組み先様の政策や方針転換などにより契約終了となることがあります。

先日、永く運営してきたブランドの一つが、そのような理由で契約を終了することになりました。
契約終了に伴う店舗運営移管の告知をお客様にお送りしてから、連日多くのお客様が店に足を運び、スタッフとの別れを惜しんでくださいました。

その際にスタッフが感じたことを、スタッフの投稿からご紹介したいと思います。

■オープン9年のお店に多数のお客様から寄せられた声

自店は今月いっぱいで運営移管となります。
そのお知らせを8/2にお店のLINEで一斉に送りました。それ以来、本当にたくさんのお客様がいらしてくださり、毎日、涙と笑いが絶えません。
みなさま開口一番、「全員いなくなるってどういうこと!?」から始まります(笑)
「びっくりしたからとりあえず顔見に来たよ」という方、さっそくお買上げくださる方、わざわざプレゼントだけ届けにいらしてくださった方…
みなさま帰り際には必ず、月末までに何回も来ちゃうかも(笑)とおっしゃってお帰りになります。


そして、みなさま揃っておっしゃるのは「次はどこに行くの?」でした。
「服は貴方任せだったから困るんだよね(笑)」
「こんなに親身にやってくれる人たちいないよ〜」
「次のお店にも必ず行くわ」
「みんながいる間に買っておかないと!」とおっしゃってくださる方の多いこと(笑)


そんな様子を見ていた向かいの店舗のスタッフから
「毎日たくさん顧客様がいらしてますね〜。
前から顧客様多いなーと思ってましたが、皆さん【スタッフ(人)】に付いてる感じですよね」

と言葉を掛けられました。


お優しい顧客様に恵まれ、まるで友人かのような関係性を築けたことが本当にありがたく、大切な時間だったと実感しております。


■電話で感謝の気持ちを送って頂いたお客様の声

昨日、SCの交換台経由で電話がありました。
この場合のほとんどのご用件は、商品のお問い合わせ、返品交換のお問い合わせです。
この日も「どちらかかな?」と思いながら電話に出ると「Nさん?」と聞き覚えのあるお声で、古くからの顧客様だとすぐにわかりました。
少し前からお体を壊され、お店からは足が遠のいていらっしゃいました


店舗の運営移管にあたり、最終日になんとか行こうと思ってくださったそうなのですが、台風の接近もあり、体調も思わしくなく…でもどうしても話しておきたい!とお電話をくださったのでした。
そして、いつもご一緒にご来店くださっていたお姉様とも電話でお話することができ、「今まで本当にありがとう、あなたは売ろう売ろうとしなくて信頼できた。本当に気持ちのいい接客だったわ」というお言葉をいただきました。


そしてまた電話はご本人様に代わり、「Nさん、必ず元気になって必ず会いに行くから」とおっしゃってくださいました。
お客様がここまで思ってくださることに目頭が熱くなり、大変なことを乗り越えながら頑張ってきて本当によかったと思えました。


こうしたエピソードが、運営移管に伴う1か月間、各店から毎日のように寄せられました。

そして最終日に届いたスタッフのつぶやきが、私の心に深く刻まれました。


あー、接客っていいなぁ。
こんな胸が熱くなる仕事ができるなんて幸せ。


お客様との楽しい会話と笑い声。


通りがかりに手を振ったり、気さくに声をかけてくださるお客様。


「何かおすすめある?」


「いつもなんだか寄りたくなっちゃうのよね」


お客様からこのような沢山の嬉しいお言葉をいただいたなぁと、これを書きながら涙がでそうになっています。
このお店で働けてよかった!沢山の人に出会えて本当に幸せでした。ありがとうございました。


今回の件は契約の代行を依頼された会社の方針ですから仕方のないことですが、告知から移管までの1か月間、販売職という仕事を選んだスタッフにとってお客様からの最高の評価を感じた日々だったのではないかと思います。

顧客は接客を買いに来ている

そんな時、目に留まったのが、株式会社セイコーマートの赤尾洋昭社長のインタビュー記事でした。

”確かに人手不足は悩ましい。


今後は待遇改善を含め、人の雇用は難しくなる。


それでもセコマはぎりぎりまで接客を含めリアル店舗と人にこだわる。


理由は「顧客は接客を買いに来ている」ためで、天気の話やあいさつにもお金にならない大切な価値があるからだ。”


「2024年9月7日の日本経済新聞」より引用


流通コストの高騰。物価高や労働環境の変化、ECサイトの台頭など、時代は目まぐるしく変わっています。

しかし、
店頭にいらっしゃるお客様は何を買いに来ているのか?
→『お客様は接客を買いに来ている』これが決して変わらない接客業の本質なのだと思います。

今回の取り組み終了により、他ブランドへの異動で新たな一歩を踏み出したスタッフの皆様。
今回、沢山頂いたお客様の感謝の気持ちが、私たちが大切にしてきた事は間違っていない事を実証してくださいました!

最後にリアル店舗で頑張っているスタッフの皆様にひと言!
「接客っていいなぁ」

ありがとうございました!


佐藤 梨枝子
佐藤 梨枝子
ワンスアラウンド株式会社 取締役

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