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人の心を動かす、リアル店舗の魔法

現場で起きた『ハッピーエピソード』をお届けします。
お客様からの“ありがとう”はいつも私たちを元気にしてくれます。
今回も現場の皆様に元気の素をお届けします。


ハッピー・エピソード【vol.002】

政府から新しい生活様式のガイドラインが発表されました。それに基づきお客様の購買の変化や、我々販売スタッフの対応も安全・安心を第一に様々な変化が求められています。
実際に現場のスタッフから「私達は必要なんでしょうか?」という声も挙がっています。
今回は、まさにその答えになるようなご意見を顧客様から頂いたことがあり、その内容をご紹介したいと思います。

弊社が運営していた店舗がブランド方針変更のため、止む無く閉店することになったときの出来事です。

顧客様に閉店のお知らせをした後、本当にたくさんのお客様から閉店を惜しむ声を頂きました。
そのなかでも、ある顧客様からの1通のお手紙が今でも忘れられません。
当時の店長からのコメントをご紹介します。


そのお客様との関係は商品に対する苦情のお電話から始まりました。
お店は東京都にあるのですが、千葉県にお住いのそのお客様がたまたまご来店された時にお買上げになった商品が傷物だったのです。


しかし、誠心誠意対応したことから、その後は月に1度は、朝一番に車でご来店頂く顧客様になりました。

その顧客様に閉店のお知らせをした際に頂いたお手紙には、「お店が無くなるのは本当に悲しい。インターネットで何でも買える時代に、何故、私が片道2時間かけてお店に足を運んでいたのか、その理由を考えて欲しい。人の心を動かせるのは人しかいないのよ。」という内容が書かれていました。


閉店前には手作りのプレゼントを持って会いに来てくださいましたが、お客様のお手紙にあった人の心を動かすのは人しかいないという言葉が深く胸に突き刺さりました。


また、その間にも顧客様同士が連携して本社に「店を続けて欲しい」という署名を送ってくれたり、止む無く閉店する当日には、顧客様達が閉店1時間前に待ち合わせて一緒にお店のクローズを見届けて下さったりと、想像を超えるサプライズの連続でした。
サービスする側の私達なのに、顧客様から最高のサービスを受けたことに改めてこの職業の素晴らしさをかみしめています。


いかがでしょうか?この事例はコロナの厄災が起きる1年ほど前の出来事ですが、非常事態期間中、このことを何度も思い出し接客業の素晴らしさをひしひしと感じていました。

これからは新しい生活様式のガイドラインにより、お客様に積極的に話し掛けることも控えなければいけない、ショッピングはECが主流になっていく・・・などと聞くたびに、リアル店舗の存在感がどんどん失われていくのではないかと不安に陥ることもありましたが、そんな時にもこのお客様の言葉が蘇り勇気を頂いておりました。

今日のTVでも久しぶりに営業を再開したコーヒーショップに行かれたお客様が「馴染みのスタッフに会えて、嬉しくて二人で涙を流して喜んだ」としみじみと仰っていました。

安心・安全は第一ですが、リアル店舗でしかできないお客様とのコミュニケーションは不滅なのだと思います。

「人の心を動かすのは人しかいない」
この言葉が皆様にとって、これからの励みになれば幸いです。





佐藤 梨枝子
佐藤 梨枝子
ワンスアラウンド株式会社 取締役

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