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リアルショップが提供する接客の魅力

いつもお読みいただきましてありがとうございます。
ワンスアラウンドが毎週お届けしている『現場マガジン』は、 文字通り我々が運営する《現場》発のホットな情報をお届けするメールマガジンです。
今週は現場で起きた『ハッピーエピソード』をお届けします。
お客様からの“ありがとう”はいつも私たちを元気にしてくれます。
今回も現場の皆様に元気の素をお届けします。



ハッピー・エピソード【vol.012】


オンラインと違って、「モノ」に「コト」を載せて
提案するのがリアルショップの使命

皆様、こんにちは。

2021年がスタートしました。従来であれば初売り・福袋・セールと活気と熱気に満ちていた年始の店頭も 今年は風景が全く変わってしまいました。
そして、年明け早々に緊急事態宣言が発令され、先の見えない不安がまだまだ続きますが、 オンラインが生活の主流になりつつある厳しい環境下で今日も現場スタッフは頑張っています。
今回は、外出する機会が減っているなか、洋服の果たす役割とは 何なのかを考えさせられるエピソードを2件、ご紹介致します。

■エピソード① 「ありがとう!また一つ思い出が増えました」

先日30代くらいのベビーカーでお子様連れのご夫婦がご来店されました。 ご主人が、細身でシルエットのきれいなデニムを探されているとのことで、 自店で取り扱いのあるブランドのデニムをご紹介致しました。 ご試着中に、そのブランドについて説明していると、 ご主人が「そういえばこのブランドのデニム、昔、買ったね~?」と奥様に話し掛けました。
お話を伺うと、お2人が交際を始めた頃に、このブランドのデニムをお揃いで購入された思い出があるそうです。
当時を思い出しながら会話が弾み、レディスも扱っていることをお伝えすると、 奥様も気に入って頂き「二度目のお揃いだね~!」 と喜んで頂きました。
帰り際に「良い提案をしてくれてありがとう。また一つ思い出が増えました。 子供が大きくなったら三人お揃いでこのデニムを履きますね!」と御礼の言葉を頂きました。
幸せそうなご家族の後ろ姿を見送りながら、ご家族の思い出づくりに少しでも関われたことに喜びを感じました。

■エピソード② 「そうよね!では姉の分も一緒に頂くわ!」

カジュアルなイメージの60代の女性のお客様がご来店されました。
「ゆったり着られるニットを探しているの」「大きめが好きだし、体型隠せるし(笑)」ということで 一緒にお好みの物をお探ししました。
お気に召された一着が決まり、他愛ない話をしながらお包みしているとお客様が 「姉の分も買おうかしら」「この年齢で姉妹でお揃いっておかしい?」とおっしゃいました。
『お姉様はお近くにお住まいなんですか?』とお伺いすると、札幌にお住まいとのこと。 『今はなかなかお会いになれない時期ですので、このニットに袖を通す時にお互いがお互いを思い出しますよね。 そんなお揃いは素敵だと思います』とお答えしました。
お客様のお顔がパッと明るくなり、「そうよね!では姉の分も一緒に頂くわ!ありがとう!」と 足取り軽くお帰りになるお客様をお見送りし、一着の服に込められる思いの深さを感じました。
外出の機会が減って着飾ることがなくなった今、服に求められることは?と改めて考えた出来事でした。


ここ最近、今回ご紹介したような内容のエピソードが増えてきたように思います。
コロナ禍をきっかけに、会いたい人にも会えなくなり、以前よりも他者との繋がりを求める気持ちが強くなり、 家族との思い出を大切にする方が増えてきています。

このエピソードを読んで、以前、参加したセミナーのことを思い出しました。 そのセミナーで「自分の人生において大切なものを5つ挙げてください」という質問がありました。
人それぞれかと思いきや共通項目があり、家族・友人・お金・仕事・・・そして「音楽」という項目が大半でした。
特に「音楽」は人の気持ちを変える力がありますし、1曲1曲に、かけがえのない「思い出」が付いてきます。
「なるほど!」と思いながらその話を友人としたときに「洋服」もそうじゃないか?という話になりました。 お気に入りの洋服を着るとテンションが上がりますし、1着1着に何かしらの思い出があります。

エピソード①では、デニムのブランドの話に触れたことから、2人が付き合い始めた頃のキラキラした思い出が蘇り、 やがて家族になってお子様が生まれ、いずれは3人でお揃いで着たい!という 夢を運ぶことが出来ました。

エピソード②では、洋服に袖を通す度に大切な人に思いを寄せることが出来るという 素敵なシーンを提案出来ました。

販売スタッフの発するひと言が、お客様の隠れた潜在ニーズを 引き起こし、1着の洋服がただの洋服ではなく、かけがえのない想いが込められたアイテムに変化しました。

「モノ」を売るだけのオンラインとは違い、「モノ」と一緒にワクワクする「コト」を提案することが、 リアルショップスタッフの大切な役割であり使命なのだと、改めて強く思います。







佐藤 梨枝子
佐藤 梨枝子
ワンスアラウンド株式会社 取締役

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