新入社員モチベーションアップの仕組み
身近なロールモデルを見ることの大切さ
~表彰式での様子より~
7月1日の就職内定率は83.3%、学生一人当たりの内定取得企業数(平均)は2.56社と、過去3年で最も高くなり、 コロナ禍以降の各企業の採用意欲は大きく復活してきています。
売り手市場の中で早めに学生を確保しようとする企業側の内定出しが早期化し、 それに伴い学生の内定辞退企業数は、21卒の0.87社から1.34社と2年間で0.47ポイント増えました。
23卒では7月1日現在、一人当たり平均1.22社の内定を保有していますが、 それはこれから「内定辞退」が発生することを意味しています。
その背景には、内定を複数保有しておくことを勧めている大学キャリアセンターもあるようで、 早期化する内定出しで「内定辞退防止」期間が長くなり、採用担当者はつなぎ止め策に頭を悩ませています。
22卒の学生では、4割超の学生が7月以降に就職先を確定したという調査もあり、 6~7月は企業にとって最も内定辞退が起きる可能性が高い時期と言えます。
株式会社リクルート 7月1日時点調査より
内定承諾を促し、内定辞退を防ぐ目的もあり、弊社では1年に一度のイヤーコンベンション(以下イヤコン)に内定者も招待しています。 コロナ禍の前には、大手上場企業と弊社のどちらにしようか悩んでいた学生が、 イヤコンに参加した翌日に内定を承諾したこともあり、社内イベントに参加させることで、 社内理解と学生自身のマッチ度の確認ができることが結果的に内定辞退を防いでいると感じています。
売り手市場に戻った23卒には、一番効果の高い繋ぎ止め策だと思い、 ちょうど感染者数が落ち着いていたタイミングだったこともあり、3年ぶりに内定者もイヤコンに参加してもらいました。
<繋ぎ止め施策として奏功したと感じる内定者コメント>・社員、パート、アルバイトの方の仲の良さが肌で感じられた ・パートさんに「この会社を選んだのは絶対いい選択だよ!」と言ってもらえた ・同期も先輩も優しい方が多く、この会社にして良かったと実感した ・店舗のことを考えながら働く入社後のイメージを持つことが出来た 会社説明会や面接の場だけでは伝えきれない現場スタッフとのコミュニケーションや雰囲気を感じることで、 会社への理解を深められ、結果的にそれが安心感につながったようです。
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表彰式参加は、チーム全員の来年の意欲につながる
採用担当者としてイヤコン会場で見ているのは、内定者の様子だけではありません。
「新人賞」を獲得した入社2年目になったばかりのメンバーのちょっと誇らしげな喜びの表情を見ていると、 こちらも嬉しくて思わず涙してしまうこともあります(笑)。
感動しながらも私が同時にチェックしているのは、新人賞を獲得したメンバーの一つ下になる今年の新入社員です。 新人賞獲得の先輩は、新入社員の1年後のロールモデルになるからです。
新卒からスタートした先輩の功績を聞き、「来年は絶対自分が新人賞を取りたい!」と話してくれた新入社員もいました。
昨年は自身が新人賞をとり、今年はシスターとして育成した2年目の後輩が新人賞を獲得した3年目のスタッフは、 「絶対〇〇さん(2年目)に新人賞を取らせようと思って1年間育成してきた」
との想いを聞かせてくれました。
「うちの新人を来年あの表彰台に立たせますよ」と、言ってきた店長もいます。
ロールモデルを見て成長し、成長を後押ししてくれる育成者がいる。
こういうチームで育った若手は、次に育成する側に回った時に良き指導者になってくれるのではないでしょうか。
表彰式はただのイベントではありません。
ロールモデルを見て、個人の成長へのモチベーションをアップし、そして育成者の指導意欲をアップさせる、 組織活性化につながる「仕組み」なのだと思います。