立場に応じたマネジメントの成功例
ニューバランス 南町田店 店長 兼 ユニットリーダー 高橋 涼 |
ワンスアラウンドの「現場マガジン」をご覧の皆様、ありがとうございます。
リテイル事業部、ニューバランスグループのショップマネージャー兼ユニットリーダーの髙橋 涼と申します。
昨年は、【笑顔と信頼の店舗改革:課題店からトップを達成する方法】というテーマで、在籍していた店舗が生まれ変わるまでのストーリーを執筆させていただきました。
今回もご縁があり、2度目の執筆を担当させていただくことになりました。
前回からの職務の変化としては、ショップマネージャーに加えて『ユニットリーダー』という新しくできた役職に就かせていただいています。
グループマネージャーと各ショップマネージャーとの間に入り、担当店舗のサポートや人事状況掌握を行なうのが、ユニットリーダーの業務です。
今回はその『ユニットリーダー』としての視点で、これまで取り組んできたこと、今後の課題についてお話しさせていただきます。
私と近い立場の方々の参考となれば幸いです。
店長たちのチャレンジ 【vol.009】
「ユニットリーダー」としての
担当店舗との関わり方はどうあるべきか
ユニットリーダー(以降UL)は、グループマネージャーを含めた3人でグループ8店舗を分担しており、私の担当は、今年3月に人事異動で店長に赴任した南町田店を含めた3店舗です。
自店を運営しながらですので、ULとしての各担当店舗への巡回は月に2回に決めていました。
しかし、異動前の担当店同様、南町田店にも大きな課題があり、ここは優先順位を上げて取り組む必要がありました。
特に異動したばかりでしたので、現状把握やスタッフとの関係づくり、そして課題解決に着手する必要があり、他2店舗への巡回は月に1回しかできないこともある状況でしたが、進行と成果は以下のような状況でした。
①ベーシック面に重きを置いた巡回取り組み項目のPDCA進捗はなるべく各店長に任せるようにし、自分が巡回時にはチームワークのベースとなる「ベーシック面」の改善に重きを置いてチェック、アドバイスをするようにしました。
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店・スタッフとの距離感に応じて
マネジメントスタイルを変化させる
ULという役職がついたことで、やりづらくなったことがあります。
それは『スタッフとの関係づくり』です。
店長という肩書きだけだった頃に比べて、管理する範囲が広がったことで、1店舗、1スタッフと関われる時間が減ったということもありますし、スタッフ側からも、対話する際に「対マネージャー」として身構えられてしまっているのではないかと思います。
我々のグループマネージャーも同様のことを話していました。
私はコミュニケーションが何よりも大切なことを身に沁みて学んできましたし、コミュニケーションをベースにチーム作りを行ってきましたので、大きな問題として捉えました。
スタッフとの信頼関係がなければ、指導したとしても自分の言葉は響きませんし、結果としてスタッフもチームも成長しません。
最近、あるスタッフに「高橋さんを見ていると大変そうで、店長はやりたくないです。」と言われてしまいました。
自分がそのスタッフのキャリアアップの妨げになってしまっていると思い、ショックでした。
確かに、使命感から、堅苦しく隙のない自分になっていて「スタッフからどう見えているか?」を考えられていなかったと反省しました。
同じ時期に先輩から「ラブとジョブとユーモアを忘れずに頑張ろう!」とメッセージをいただく機会もあり、ハッとしました。
◎副店長を主としたマネジメントスタイル(チームワーク作り)
ではこの距離感のまま、南町田のチームワークを上げるにはどうすればいいか? Sさんが実行したのは以下のことです。
そうしたことで、スタッフは次回出勤時にコメントを見て、自分の意見が認められること、しっかり自分を見てくれていることを感じられるようになり、仕事への向き合い方も変わってきました。 画用紙もどんどんポップに、今はメンバーそれぞれの子供の頃の写真が貼ってあったり、誕生日おめでとう!のメッセージが貼ってあったり、見るのが楽しみなものに進化しています。
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さいごに
ユニット店舗へは、ベーシック面に重きを置いたマネジメント(巡回)スタイル。
自分の店舗では、副店長を主としたマネジメント(チームワーク作り)スタイル。
というように、ULという立ち位置からそれぞれへの距離感に応じてマネジメントスタイルを分けて取り組めたことが、それぞれの成果に繋がったと感じています。
また、UL間で分担し合ってそれぞれをサポート、毎週のULミーティングで状況報告を行い、3人で沢山話し合って解決する体制で臨めたことが何より大きいと思います。
『分担』がULマネジメントの成功の秘訣だと言えます。
ULと店・スタッフいう距離感の中でも、スタッフとより良い関係性を作っていく方法があるはずなので、下期はそれを模索していきたいと考えています。
その中で、「自分のようになりたい」と思ってもらえるスタッフが1人でも生まれてくれたら幸せです。
まずは「ラブとジョブとユーモア」というヒントから何か行動を変えていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回(12月)の「店長たちのチャレンジ」をお楽しみに・・・。