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クレームをチャンスに変える「謝罪よりも大切なこと」

いつもお読みいただきましてありがとうございます。
ワンスアラウンドが毎週お届けしている『現場マガジン』は、 文字通り我々が運営する《現場》発のホットな情報をお届けするメールマガジンです。
今週は現場で起きた『ハッピーエピソード』をお届けします。
お客様からの“ありがとう”はいつも私たちを元気にしてくれます。
今回も現場の皆様に元気の素をお届けします。


ハッピー・エピソード【vol.013】


皆様、こんにちは。

三寒四温の今日この頃。
春がそこまで来ている証しだと思うと待ちどおしさで寒暖差も我慢できてしまいますね(笑)。

さて、今回はイレギュラーな事態が起きた時のスタッフとチームの対応力が問われる事例をご紹介致します。

お客様が欲しいものは【謝罪】でもなく【返金】でもなく【理由】だった!


某スポーツメーカーの定番のパンツをお買上げになったお客様との出来事です。
このパンツは自店でも長く展開している人気の商品です。
ある時、このパンツを買われたお客様がいらっしゃいました。
40代くらいのオシャレな男性です。
ご試着を提案しましたが「同じものを持っているので大丈夫です」とご購入されました。


ところが翌日「同じサイズのはずなのに昨日買ったものが少し大きい」とご来店されました。
その時、既にお持ちのパンツを履いてこられたので、昨日買われた物と既にお持ちの物が同サイズで 同商品であることを確認した上でフィッティングして頂きました。するとお客様が仰るとおりサイズに差異がありました。


更に採寸をしたところ、差異があることは明白で、お客様はお困りのご様子です。 そこで、店頭にある在庫のものを履き比べて頂きましたが、やはり同じ結果です。
すぐにお詫びをして、ご返品も視野に入れつつ、素材の特性上、個体差も考えられるため、 同商品を複数点倉庫からお取り寄せし、採寸した上でご連絡するお約束をし、いったんご退店頂きました。


その出来事を店スタッフ全員と共有し、更にはお客様のその時のご様子、人となり、対応の仕方も詳しく共有した上で、 スタッフ数名であらゆる媒体を使い原因を調べてみました。


すると、このパンツは「市場に出回っている同じ商品名で異なる型がある可能性がある」ということが分かりました。
自ブランドで展開しているものは同じ寸法でしたが、スポーツショップなどで買われていると、 寸法が違うものを「同商品」と思われている可能性があるということです。

後日、お客様がご来店された時、最初に担当したスタッフは休みでしたが、 全て共有していた他のスタッフが上記をご説明した所、 「このパンツはサイズ含めて全部同じだと思っていた。確かに今持っているのはスポーツ専門店で購入した物だ」 とのことで、見分けはつきにくいのですが違う型だということが判明しました。


お客様は「そういうことかあ!いやあ、よく分かりました。教えてくれてありがとう」とご納得され、 「今回ここまでしてくれたから、これ返品はしません」と、そのままお持ち帰り頂けることになりました。
そして帰り際、「最初に対応してくれたスタッフさん、すごく真摯でした。 長い間このブランドにはお世話になっていますが、こういう相談事をちゃんと聞いて対応してくれるんだなあ、と、 とても心強かったし安心しました。またファンになっちゃいました。よろしく伝えておいてください」 と仰って頂けました。


似たような事例は日常よく起きている出来事だと思います。
しかし殆どのショップでは「原因がわからない」ところで諦めてしまい、お客様に謝罪し、 返金対応で事を済ませてしまいがちだと思います。

しかし・・・
「お客様はその対応で本当に満足できるのでしょうか?」

このお客様が本当に欲しかったものは「謝罪」でも「返金」でもなく「理由」だったのだと思います。

お客様が感じたストレスの真意を、お客様の立場で想像できたからこそ、この対応に繋がったのでしょう。
そして、事実だけでなくお客様タイプから対応ポイントまでチーム内で共有することで 誰が担当しても同じ気持ちで対応できたこともお客様のご満足に繋がったのだと思います。







佐藤 梨枝子
佐藤 梨枝子
ワンスアラウンド株式会社 取締役

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